大隅地方の医師不足対策 県と連携して産科医確保へ


医師不足にあえぐ昨今ですが、診療科によって偏りが確認されていて、特に産科医の不足は著しいです。

特に九州・大隅半島の4市5町では産科医の絶対数が不足していて、お産危機が起きています。
この状況を受けて、大隅半島における産科医不足の対策を議論する「大隈4市5町保健医療推進協議会」

第2回総会を10月29日、鹿児島県鹿屋市役所で開催。

総会では、県と連携して産科医を確保するなどを今後の取り組みを決定しました。

協議会発足の背景


大隅地域では分娩ができるのは県民健康プラザ鹿屋医療センターと、
開業の産科診療所3施設
しかありませんでした。
3つの診療所では分娩取扱件数が年間で1200件。
1診療所あたりの件数でも全国の平均値を大きく上回っています。

今年7月に、中西茂鹿屋市長は「大隅地域の逼迫した産科医状況では、
安心して子どもを産むことも、育てることも困難」と言及。

さらに「子育て世代が地域から離れていくと地域の活力にも関わるため対策を施す必要がある」とし、
産科医療体制の維持・確保を目標に同協議会を発足しました。

産科診療所の現状

10月末に行われた第2回総会では、鹿屋市の開業産科医2人が現状を説明しました。

先ほど紹介したように、大隅地方にある3つの産科では年間で1200件の分娩を行っています。
内訳として、1診療所辺り360~700件となりますが、医師1人辺りの年間分娩件数が150件を超えると
医療ミスを引き起こす可能性があると言及。
つまりこれは、現状では分娩時のミスが起きてもおかしくない状態という事です。

2人は「医師だけではなく、助産師・看護師も不足」「お産直前の子宮口の開き具合を産科医・助産師だけではなく
看護師も確認できれば現場の負担緩和に繋がる」と訴えました。

今後の目標

今回の総会では、今後の取り組みとして「県民健康プラザ鹿屋医療センターを中心とした周産期母子医療センター機能の拡充」を目指します。
また、「県と連携して産科医の確保」「大学病院に対する産科医師派遣の正式要請」
などを含めた全8項目を取り決めました。

同協議会は産科医療の問題解決に動き、地域活性化を目指すだけではありません。
自治体・行政が支援を強めることで産科医たちのモチベーション上昇を狙っています。

同協議会の取り組み如何では全国の産科医不足にも好影響を与えるのではないでしょうか。

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