医師偏在の解消へ向け、合同委員会を設置。医局復権も

医師偏在の解消へ向け、合同委員会を設置。医局復権も

全国医学部長病院長会議は、2月18日。

会見にて医師の診療科や地域の偏在解消に向けた取り組みとして、本年度中に日本医師会と合同委員会を立ち上げる意向を示しました。

立ち上げの理由について、同会議顧問の森山寛氏は「医学部新設の動きがある中で、既存の団体は反対してばかりで対案がないという指摘があった」と話し、
具体的な偏在の解決策をまとまった形で提言したい考えとのことです。

また、同会議の関係者は1つの考え方と断りを入れた上で、偏在の要因として、臨床研修制度の影響を指摘しました。

その上で「前期研修は原則大学で実施し、医局の医師派遣機能を強める考え方もある」と医局の復権も医師偏在解消に向けた1つの方向性として考えられることも明かしました。

日医と全国医学部長病院長会議、ミクロ視点での重要性を認識

医師偏在の解消へ向け、合同委員会を設置。医局復権も

この合同委員会は、全国医学部長病院長会議が昨年末に、日本医師会に対し協力を求めたもので、実現する見込みです。

医学部新設に肯定的な意見の中には、地域や診療科の偏在について「医師養成数を増やすことで解決する」との意見もあります。
その一方で、医学部新設に反対してきた同会議に対し「反対ばかりで対案がないと説得力がない」と指摘する声も多くありました。

委員会では、医師養成から始まり、地域や診療科の偏在の実態を調査し、解消に向けた方策までを含めて示す方針を掲げています。

同会議相談役の河野陽一氏は会見で「関西では麻酔科医が複数配置されているが、関東や東北では常勤(麻酔科医)がいないことがある」
「小児科医は(医師不足がしばしば指摘されるが)全体を見ると、数は減少していない」などと話し、マクロ的な視点ではなく、ミクロの視点から事実を積み上げる
重要性を指摘
しました。

今回発足する合同委員会は、地域の特性も踏まえて検討する事になります。
本年度中に立ち上げられたのち、半年程度で結論を出す見込みです。

「初期研修中も医局所属」という1つの考え方

「初期研修中も医局所属」という1つの考え方

医師の偏在化については、2004年度の臨床研修の必修化に併せ、研修先が自由に選べるようになり、都市圏に医師が集中する問題が起こりました。
以来、厚生労働省などが定員枠の調整などで研修医の偏在を少しずつ解消してきた経緯があります。

また医師が、初期臨床研修の地域に残りやすいと指摘する意見も多く聞かれることです。
偏在の解消に向けて、初期研修医を集めることが1つの有効な方法と考えられる中。

同会議の関係者は、臨床研修病院として十分な教育体制が整っていない施設があるとの見解を示し「現在、大学病院で研修する医師は全体の半数程度まで低下しているが、
原則大学で受けるように戻した上で、最初の2年間もいずれかの医局の所属とすることが考えられる」と話しました。

従来型の医局の復権も、医師偏在解消のため1つの視野に入っていることを明かしたのです。
従来の医局が果たしてきた、医師偏在や僻地への医師派遣機能の低下については、一定程度の合意形成がある中で、今後の議論が注目されます。

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