深刻化する医師不足問題。
少子高齢化で、人口はますます減少するため、医師不足は加速するだろうと考えられています。
秋田県男鹿市では、今よりもさらに医師の確保が難しくなっていくと見込み、医師・看護師を目指す市内の子供を
増やす試みを始めました。
体験講座
秋田大学医学部では、市内の小中学生に採血・腹腔鏡手術などを模擬体験させ、関心を持たせる
体験講座
を開催。
体験講座
を開催。
この体験講座は、市内12の小中学校に呼びかけたもので、この日は8校から医師・看護師希望の男女30人が
参加しました。
秋田大のシミュレーション教育センターで、学部生が練習で使用する器具を用いて実施。
男鹿市教育委員会は冬期休暇の際にも同様の講座を計画し、来年度以降も継続しておこなっていく模様です。
背景
この試みに至ったのには「医師不足」が挙げられるのですが、男鹿市の問題はさらに深刻なものとなっています。
救急診療も担う市立男鹿みなと市民病院は2006年に医師が大量に退職。
救急診療も担う市立男鹿みなと市民病院は2006年に医師が大量に退職。
開業などが原因とされているのですが、これによって
人員不足
に陥りました。
状況は回復してはいるものの、医師・看護師は常時募集しています。
また民間の有識者らがつくる「日本創世会議」が5月に発表した推計によると、男鹿市の20~39歳の女性が30年間で74.6%
も減るとされています。
これは県内でもワーストで、人を留まらせる人口減少対策もこれからの男鹿市にとって重要だと言えるでしょう。
市外に医師を求め続けることは難しいですし、現状の抜本的な解決にはつながりません。
そのため、市内の子どもたちを確保し、自前で人員不足を解決させるために、この試みが始まりました。
秋田大による試み
秋田大医学部では地域に根差した活動を行い、秋田県に定着する医師の確保・養成を行ってきました。
入学直後の1年次から地域医療に関する講義、地域中核病院における早期臨床実習を行っています。
これによって、医学生の教育はもちろん、医学生に
秋田県内における医療の現状
を肌で感じてもらうことが可能です。
医師不足を根本から解決するためには、
「医師を育て上げる」
という行為が不可欠です。
男鹿市だけではなく、秋田県だけの問題でもありません。
日本全体の問題ですから、改善・対策を積極的に行っていきましょう。