長野県は男性の平均寿命が1位、女性が5位と大変長寿であることで有名です。これは「在院日数が短い」「薬に頼らない健康作り」「在宅死亡率が高い」という3つの要素が関係しています。結果的に、長野県では高齢者にかかる医療費が少ない状況が続いており、日本医療の理想モデルの1つと言われるようになりました。
あまり知られていませんが、長野県の勤務医の90%ほどが県外出身者であるのをご存知でしょうか。ここにも長野の医療の特質さを発見することができます。長寿を支えているのも、県外から多くの勤務医が集まるのも、長野の医療を牽引してきた一部の一般内科医がいたからです。このような一般内科医師にはどんな方がいるのでしょうか。また、どんな医療のあり方を実現してきたのでしょうか。このような情報を把握することで、今までとは違った視点で長野の一般内科医求人をチェックできるようになります。
長野県の先駆者でまず第一に出てくるのは長野県佐久市にある佐久総合病院の育ての親といわれる「若月 俊一氏」です。もともと東京出身で東京大学医学部を卒業後、様々なきっかけがあり長野県佐久市にある佐久総合病院に赴任。「予防医学」に注力し、無医村への出張診療など僻地医療にも携わりました。若月 俊一氏の築いた医療哲学は地域医療を目指す医師にとって目指すべき存在になっています。現在でも、若月 俊一氏の精神を継いだ一般内科医が全国で活躍しています。例えば、佐久総合病院では現在も多くの一般内科医が「延命第一主義」にとらわれることなく「健康で幸福に生きる」という哲学をもって長野の地域医療を支えておられます。また、若月 俊一氏から直接教育を受けたある一般内科医の方は、震災地である宮城県石巻市でプレハプ住宅に住む住人の医療を担っています。
このように、長野の医療モデルをそしゃくして自分の医療哲学を形成された一般内科医の活躍は、超高齢化社会の持つ課題(医療費の増大、在宅で終末期を迎えたい患者の尊厳、健康寿命の促進)を解決する糸口となっています。このように長野で地域医療を学ぶ一般内科医が増え、他のエリアでも「予防は治療に勝る」という精神が培われていくことは、日本社会全体を救う可能性を秘めています。だからこそ、他県から長野で医療を学びたいという医師が大変多く、若月 俊一氏の哲学は今も色あせることなく、むしろ勢力を増しているのではないでしょうか。
長野県には、若月 俊一氏が生んだ地域医療モデルに感銘を受けて他県から高い志をもった一般内科医がその求人を求めてやってきています。しかし一言で長野県といっても、その面積は東京都の6.4倍で、南北に細長く位置しているため、それぞれの地域によって環境にも大きな違いがあるのが現状です。そこで、長野県内でも長野市・松本市をピックアップして、各地域で地域医療に注力している病院・診療所についてご紹介したいと思います。
まず長野市周辺で地域医療に注力している一般内科・求人状況についてご紹介します。このエリアで地域医療や在宅医療に注力している病院には、小布施町にある「新生病院」、須坂市にある「轟病院」、長野市にある「愛和病院」などがあります。新生病院は患者さんの在宅復帰に力を入れており、病院完結ではなく行政や、社会福祉協議会、在宅介護支援センターといった連携も確保されています。現在は、アジア諸国での海外医療にも携わった医師が多く在籍し、震災病院への支援も実施されています。一般内科医求人も採用枠を設けています。次に紹介する轟病院でもやはり在宅回帰を目指されており、外来・通所リハビリが困難な患者さんのために独自に訪問リハビリを病院で実施されています。そして愛和病院は、緩和ケアに力をそそいでいる病院です。入院患者さんのみならず在宅にいながら緩和ケアをうけられる訪問診療専門のクリニックを併設されています。
次に松本市周辺で地域医療に注力している一般内科・求人状況についてご紹介します。このエリアで地域医療や在宅医療に注力している病院には、松本市にある「松本協立病院」「丸の内病院」「藤森病院」、そして塩尻市にある「塩尻協立病院」などがあります。松本協立病院は一次?三次救急までになう松本市の中核病院ですが、治療だけに留まらず各科目ごとに病院で働く医師や看護師も参加する患者会を運営されており、患者さんとの勉強会や親睦の場を設けています。丸の内病院では、地域医療を病院完結型から地域完結型へ舵をきり、地域の医師との連携を図るために「連携医制度」という制度をもうけています。藤森病院は介護サービに力を入れており、訪問リハビリ・訪問看護・訪問介護だけでなく居宅介護支援も行っています。最後に塩尻協立病院は、専門×総合医としての役割をになう教育に力をいれています。これは、塩尻市が急速な高齢化がすすむなかで患者さんからの一環した治療を望む声に応える形で総合診療科を開設したことがきっかけになっています。
このように、エリアによって地域医療への注力方法には特徴があり、長野県で一般内科医として転職するために求人を探したいという方は、各病院の方向性や体制の違いをチェックする必要が出てきます。
先に述べたように、長野県で一般内科医として経験を積むことで、理想的な医療モデルを習得できるということをご紹介しました。
そこでここでは、長野県で一般内科医の方におすすめしたい求人をご紹介いたします。