医師が転職を考える時に本当に知りたいことは「 実際にその場で働く医師の本音 」ではないでしょうか。年収や給与の本音、派閥争いで感じる本音、人間関係の本音・・・。ここでは、施設の規模や種類別に実際に働いている「医師の本音」をご紹介します。
医師が医局を離れて転職や開業を考える最も大きな理由として「年収や給与」があります。では、大学病院、民間病院、開業医として実際に働く医師は「年収や給与」に対してどんな本音を持っているのでしょうか。本音をみることで、実際に転職した後のイメージをよりリアルに想像できるようになります。
はじめに、大学病院で働く医師の本音をいくつかご紹介します。
大学病院で働く医師が感じている本音といっても、年齢によって違いがあります。例えば30代前半の医師の本音として最も多いのは「派遣先の病院によって給与の落差が激しい」というものです。勤務する病院によって、しっかりと残業代が出るところから全く出ないところまであるため、大学病院で働く30代前半医師にとって「派遣先がどの病院になるのか」が年収や給与を考えるときに最も重要なポイントと言えます。しかし、これが40~50代となると本音の内容が変化します。最も多いのは「仮に勤務先の年収に不満があってもバイトして稼げるので収入には困らない」というものです。しかし一方で「医局人事によって経営母体の違う勤務先に変わることも多く退職金が少ない」という意見もあります。全体としては「働きながらスキルアップも出来る上、バイトで生活することができるので、生涯お金に困ることはないけれど、いかにうまく医局内で渡り合えるか否かによって収入や働きがいの落差が激しい」というものでした。
次に民間病院で働く医師の本音についてご紹介します。
民間病院で働く医師の意見として最も多いのは「医局にいた頃より年収は高め」というものです。特に30代の若手医師の多くは、医局で働いていた頃よりも年収アップして転職する方が多くなります。理由としては医師不足が関係しています。大学病院など医局派遣によって医師を確保できる病院と違い、多くの民間病院は自前で医師を招聘しなければなりません。そのため、医師から見て魅力的な研修内容を構築したり、年収アップを提案する病院も少なくありません。特に専門医など資格を持っている場合は年収交渉がしやすくなります。また休暇や当直明け勤務も、人気の民間病院であればあるほど医師数が多いため緩和される傾向にあります。 また、地方などエリアにこだわりがなければさらに年収交渉がしやすくなります。 勤務医でありながら開業医と同レベルの給与を手にした医師もいるほどです。もちろん年収に比例して責任も重くなります。
しかし、「年収が高ければいい」というものではありません。多くの医師が、年収以外の理由で転職を考えています。実際にはどんな理由があるのでしょうか。そこで医師の年収以外に関する本音をご紹介します。
年収以外で多く上がる本音として「人間関係」があります。医師の上下関係から、看護師との関わり方、病院によっては常連のクレーマー対応など様々です。特に20代から30代前半の医師は、病院によってまだ自分の立場や技術が確立されていないこともあり「上司や看護師長から様々な仕事や責任が降り掛かってくる」という話も聞きます。「実際には仕事に関係のない派閥争いで疲弊する」という声も・・。悪い本音だけでなく、病院によっては「上司や先輩でも、子育て中は積極的に仕事を引き受けてくれて本当に助かった」という女性医師の声や、「うちは療養型病院なので、一人の患者さんと長い関係を持て患者さんから”ありがとう”と行ってもらえるときは医師としてのやりがいを感じる」という声も有ります。
次に「女性医師の本音」を紹介します。近年、医師の女性比率は上昇傾向にありますが、出産という女性でしかできないライフイベントを「仕事が忙しくてその上充実しているので子作りは二の次」と考えている医師は多いのではないでしょうか。実際に女性医師は一般女性と比較して高齢出産率が高いと言われています。女性の社会進出が叫ばれて久しいですが、そんな時代でも尚、「ここで働くなら出産は控えてほしい」「これだから女医は・・・」といったハラスメントがあると聞きます。転職をして初めて女性医師に対して理解ある病院があると気づかれる医師も少なくありません。
最後に「勤務時間に関する本音」です。20代から30代の医師の場合、オンコールや残業手当が全くつかない場合もありそういった病院は慣習となっているため、誰も正当な意見が言えずに我慢するしかないという状況もあります。最近、初めて病院勤務医が病院を相手取り訴訟を起こして勝訴したのは、医師の中でも話題になったのではと思います。過酷な勤務体制は、医師の疲弊はもちろん、医療事故のリスクを高めます。若い頃は体力もあり乗り越えられても、体力の衰えを感じるようになると、転職を検討される医師も増えてきます。
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