公立病院で働いている医師の平均給与をご存知でしょうか。ネット上に掲載されている募集求人の給与額と実際の金額にはどれだけの違いがあるのでしょうか。ここでは、人事院が公表している国家公務員として働く医師の平均給与についてご紹介します。
人事院の発表によると、公立病院などで働く医師・歯科医の平均給与月額(俸給+諸手当)は815,422円とされており、その平均年齢は50.4歳となっています。年齢別には下記の通りです。
28~32歳未満:708,576円
36~40歳未満:793,508円
44~48歳未満:832,897円
52~56歳未満:863,210円
また、俸給だけでなく諸手当が充実していることも民間病院との違いではないでしょうか。しかし、この給与額だけ見て転職を急がれるのは危険です。
ここで紹介した給与額は常勤換算した場合の数字であり、非常勤で働く医師の給与は換算されていないため、実際に公立病院で働いている医師の実感とに違いがでる可能性も拭えません。また、実際には超過した勤務手当をもらえていないケースも多いと聞きます。実際のところは公立病院で働かれている医師に本当のところを確認されるのがよいでしょう。病院によって、働く環境や残業や休日出勤にどう報いているかは意外と違いが出てくるものです。
また、公立病院の医師募集については、クローズで行われることが多く、一般的にはネット上での情報収集が難しいと言われています。そのため、医師専門の紹介会社、特に公立病院への紹介実績のある転職エージェントに依頼されることで、公立病院への転職成功率が高まります。給与アップは公立病院のためにあまり期待はできませんが、勤務時間や休暇など、医師の体制によっては相談が可能な病院も有りますので、そういった情報収集だけでもしてみてはいかがでしょうか。
ここで紹介した公立病院の医師給与が、思った以上に高いと感じた方も多いと思います。しかし、実際には民間病院から声がかかって高い給与を提示されて引き抜かれたり、公立病院から民間病院へ転職される医師もいらっしゃいます。そんな中、今、公立病院が積極的に医師招聘を行う理由やその方法についてご紹介します。
1つは、公立病院の赤字経営が影響しています。公立病院の赤字額は、平成16年から連続して1000億円を超えており、厳しい経営状況を伺うことができます。これを踏まえて、総務省は公立病院の黒字転換を掲げ、平成21年から改善案を出すよう求めています。主に実施されていることは、1)集患対策 2)医療連携強化 3)在宅・デイサービスの開始などです。
これらの取組みを全て支えているのは医師確保であり、そのため公立病院は今までの古い体制を捨てて、医師にとって魅力的な職場づくりに力を入れ始めています。実際に経営改善された公立病院の事例を見ると、その多くの施設で「人事制度の改善」「研修制度の強化」「女性医師のための院内保育所設置や短時間勤務の導入」などを取り入れています。その結果、今働いている医師のモチベーションを上げることに成功し、さらに公立病院へ新たに転職される医師が増えています。公立病院へ行ったアンケートでも、医師確保対策として有効だとされた点として「研究基盤、研修・教育機能の充実、専門医等資格取得の支援」「職場環境の整備、労働条件の改善」「給与等の待遇改善」があげられています。これらの取組みに寄って特に医師数が増えた科目は「内科」が最も多く、次いで「外科」「小児科」と続きます。
しかし、すべての公立病院が医師の労働環境の改善や、給与待遇の改善が出来ている訳では有りません。一部の公立病院の院長職は天下り先とされている場所もあり、こういった手間のかかる改善策に積極的になれない病院があるのも事実です。そのため、「公立病院だから大丈夫」と決めてかからず、事前にしっかりとチェックする必要が有ります。
公立病院について色々とご紹介してきましたが、実際に医師を募集している病院が知りたいという方は、是非ここでおすすめする求人をチェックしてみてください。
公開されていない求人も有りますので、ご自身の希望のエリアや希望給与などお気軽にお問合せください。