福岡県内で公立病院の医師募集傾向と切っても切れないのが、医局と公立病院の関係です。
医局派遣で医師数が足りるのであれば、公立病院が直接「医師募集」をする必要がないためです。そのため、福岡県内で公立病院への転職を考えているのであれば、まずは各公立病院と大学医局との繋がりを把握する必要があります。そうすることで、転職したい病院の医師募集時期を知ることができるので、他の医師より一歩リードして転職活動ができます。
では、具体的に公立病院と医局のつながりについて確認していきましょう。例えば、久留米大学医学部の医局に所属している医師が派遣されている病院は下記の通りです。
もっとも医局派遣の多い公立病院は「国立病院機構 九州医療センター」です。次に、公立八女総合病院、筑後市立病院、国立病院機構福岡病院と続きます。これらの公立病院には、久留米大学から5名前後の医局員が派遣されています。一方で、医局派遣数が1~2名前後の公立病院もあります。それは、国立病院機構福岡東医療センターです。このような医局派遣数が少ない公立病院ほど公募にて医師募集をかけることが多く、大学病院の医局員でなくても公立病院で働ける可能性が高まります。
しかし実際には、どの大学病院の医局員がどの公立病院でどのくらい活躍しているのかという情報は公開されていないことが多く、その詳細を確認することは難しいのが現状です。そこで、おすすめしたいのは「エリア=郊外」「知名度=やや低め」の公立病院か、日赤系の病院、それから民間病院でも医局派遣を受けているような地域の重点病院と指定されている病院です。例えば、今津赤十字病院や嘉麻赤十字病院、民間病院では貝塚病院や聖マリア病院などがその一例です。
というのも、医師からの人気度が高い公立病院は競争が激しいために、条件交渉はおろか、転職の窓さえ開いていないことも多いためです。そういった病院にどうしても転職したい場合は、関連医局に入局する方法がありますが、あまりおすすめできません。なぜなら、入局したからといって希望の病院への派遣が実現する保証はなく、かつ医局派遣は数年に一度の移動があるため、固定の公立病院に留まり続けることは難しいためです。
医師に人気の公立病院は医師がキャリアを積んでいく中で「ハクのつく病院」と言えます。そのため、若い医師は技術を磨くために給与や休暇のことは後回しにしてしまいがちです。しかし、年収は民間病院で働く医師に比べて低い傾向にあり、その点で転職を検討する医師は多くいます。医師間の評判にだけとらわれていると、年収アップの機会が乏しいのも現実問題としてあるのです。
では、福岡県内の公立病院がどれだけの年収提示をしているのでしょうか。国立病院機構が提示している「医師の処遇について(2014年度版)」によると、国立病院で働く医師は約1460万円(うち業務手当は240万円)、医長は約1650万円(うち業務手当は340万円)、部長は約1830万円(うち業務手当は490万円)、副院長は約1900万円(うち業務手当は550万円)、院長クラスになると年収2000万円(うち業務手当は580万円)となります。ちなみに、医長以上は業績が給与に反映される年俸制をとっているので頑張りに見合って報酬が提供される環境といえます。また、定年は65歳のため、長く働けるのが魅力の1つです。
公的病院の年収は、国や福岡県、各市区町村の規定に順じて決定するため大きな年収アップは期待できないのが現状です。エリアや科目によってはその限りでは有りませんが、一般的に公立病院へ転職される際に交渉をするのであれば「勤務時間の交渉」が現実的です。実際に、子育て世代の医師にとって嬉しい「育児休暇」「育児時短制度」「院内保育所の設置」などは公立病院のほうが積極的に展開されている傾向にあります。
このように、公立病院は「症例やスキルアップを第一に考えており」「子育て時にしっかりと休暇制度が利用できて」「年収も平均給与をもらえたらいい」と考えている医師におすすめだと言えます。また、転職時期としては、福岡県内で医師募集をしている公立病院は常時3施設ほどあるため、場所や条件にこだわらなければ公立病院への転職は年中検討出来る状況です。エリアや行きたい公立病院がある場合は、転職時期としては9月~11月から情報収集と退職の準備をはじめて4月から入職するのがベターな傾向にあります。
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