心臓血管外科医が週4日で働ける求人が本当にあるのでしょうか。
長年、医師専門の転職エージェントをやっていると多くの心臓血管外科の医師から「週4日で常勤勤務ができる求人を見かけることがあるけど、実際に働いている心臓血管外科医を見たことがないよ。本当に存在するの?」という質問をされます。長時間にわたるオペや緊急オペで休日を返上して働き続けている医師「週4日勤務」に興味をそそられる一方で、実際に週4日勤務で働く医師が周りにいないことから現実味がないために、このような疑問がわくのだと思います。
しかし、週4日勤務OKの心臓血管外科の医師求人は実際に存在します。そこで、週4日勤務が可能な心臓血管外科の医師求人を探すポイントを紹介し、役立ててもらえればと考えました。そのポイントは「条件付き週4日求人」です。
例えば、「当直を月4回出てもらうことを条件に週4日勤務が可能です」という病院は意外にも多いのをご存知でしょうか。
この背景には、近年女性医師の割合が増え、妊娠・出産を経て子育てをしながら働く医師も増えたことが一因としてあげられます。小さな子供を育てながら働き続けたい医師を支援するために、週4日勤務を可能にして当直のバックアップ体制を整えているというわけです。
別の例では「給与を下げる代わりに週4日勤務が可能」というものです。
心臓血管外科医として脂がのってくる30~40代は自分の精神・体力を削って手術をしている方がほとんですが、50代にはいると「まだまだ手術は出来るが体力も30代40代と比べると劣ってきているのはたしか。60代になっても身を削って手術をし続けるのはあまり魅力的ではない。さて、どうしたものか」と考え、医師として別の活躍の仕方を探り始める方が増えます。今までついないがしろになってしまったプライベートな時間も充実させるために「年収よりも限りある時間を優先したい」という医師にとって、「給与を下げて週4日勤務をスタートさせる」働き方は新しい心臓血管外科医としてのキャリアの積み方ではないでしょうか。
このように、様々な条件付きで週4日勤務が可能な心臓血管外医を募集する流れが出てきています。 しかし残念ながら、その詳細情報をネット上の求人だけで判断することが難しいので、多くの心臓血管外科医は私たちのような医師専門の転職エージェントを利用し、より具体的で詳しい情報を収集しています。
週4日勤務ができる心臓血管外科の医師求人を探す時に、もう一つ知っておくとためになるポイントがあります。
それは「週4日勤務で医師募集する病院の傾向」です。
週4日勤務で医師を募集する病院の傾向を知っておくことで、情報収集の手間が省けたり、転職の選択肢を広げることにつながります。また、転職後に後悔するリスクまで下げることができます。これらのメリットを考えると、採用する病院の傾向を知っておくことは転職を成功させるポイントだということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
では、週4日勤務で医師を募集する病院の傾向を3つ紹介します。
まずは「病床数」、そして「症例数」、最後に「医師・コメンディカルの体制」を挙げることができます。
まず病床数ですが、300~400病床の病院で募集する傾向にあります。
これは医局派遣の体制が脆弱な規模のケースが多く、医師数が慢性的に不足していることが主な要因です。手術のニーズはあるものの、手術できる医師が不足しているために週4日でもいいからまずは採用したいという病院の事情があります。
次に症例数ですが、2つのパターンにわかれる傾向にあります。1施設あたりの症例数が1000例を超える病院と、200例に満たない病院です。
前者の場合、多くの症例に触れることができるのでスキルアップも兼ねて転職をする医師には好都合な病院といえます。また、ベテランの医師にとっても自分の実力を十分に発揮できる病院と言えるでしょう。
一方で後者の場合、仮に在籍医師が2名で100例の手術がある場合、オペ数をこなすことは2名の医師で対応できるものの当直は2名だと難しいといった場合に、当直の補強の意味で医師を新しく採用するというケースも有ります。また、医局の中には年間症例数が100例を下回る病院は、研修医のスキルアップのスピードを考えて医師派遣を停止する場合もあります。このように症例数から採用背景を推測することができ、本来の転職の目的を達成できるのかを様々な側面から判断することができます。
最後の医師・コメンディカルの体制においては、外科医・麻酔科医のバックアップ体制と熟練したコメディカルによるバックアップ体制が整っている場合に分けることができます。一般的には、外科医や麻酔科医のサポート体制の中でオペや当直業務を対応することが多いのですが、医師不足が改善されない地方の病院などは熟練したコメディカルスタッフによるバックアップ体制に力を入れ始めています。もっとも注意すべき点はこのようなバックアップ体制が敷かれていない病院への転職です。せっかく週4日勤務を実現させるために転職しても、実際に働き始めてみるとなかなか休めない、気がつくと週5日以上働いているというトラブルは少なくないためです。
現在、募集中の週4日勤務ができる・当直無し・その他プライベートを充実できる心臓血管外科の医師求人をご紹介します。