兵庫県南あわじ市は人口46,912人(2015年国勢調査)が住んでいます。南あわじ市の医療施設数は、病院が5施設(南淡路病院:170病床、平成病院:168病床、翠鳳第一病院:119病床、八木病院:98病床、中林病院:93病床)あります。また一般診療所を調べると34施設あることがわかりました。絶対数だけではなく、人口対比で医療機関数をチェックしてみましょう。調べてみると、病院数・診療所数ともに全国平均に比べて多い状況でした。具体的には、南あわじ市の人口10万人あたりの病院数は全国平均値6.51に比べ10.66と約4ポイント高い状況でした。次に、一般診療所数を人口10万人あたりで換算すると、全国平均値68.89に対して72.48と約4ポイント高いことがわかりました。(参照元:2018年11月現在の地域内医療機関情報の集計値/人口10万人あたりは、2015年国勢調査総人口で計算)これらのデータから、全国平均値に比べて南あわじ市の医療機関数は、平均よりやや多い状況でしたが、一方で、南あわじ市の医療機関で働く常勤医師在籍数は何人ほど働いているのでしょうか。南あわじ市内の常勤医師在籍数を調べると61名在籍していました。(2018年11月現在の地域内医療機関情報の集計値)この常勤在籍医師数を、先ほどと同じように「人口10万人あたり」でチェックすると、全国平均医師数240.93人と比較して130.03人と約110ポイントも低いことがわかりました。つまり、現時点での南あわじ市の医師数は、全国平均値に比べて少ないことがわかります。これらのことを鑑みると、医療機関数は多いものの、その中で働く常勤医指数は数ないため、医療資源が豊富とは言いづらい地域であることがわかります。結果的に、医師の募集ニーズは全国平均よりも高い可能性が高く、医師採用時の条件交渉はやりやすい傾向にあると言えます。しかし、この状況がいつまでも続くわけではありません。ご紹介したいデータがあります。それは、「現在から25年後までの高齢者人口の推移」です。このデータから、南あわじ市で数十年後の医師募集ニーズについて大まかな推測をすることで、今とは違った景色が見えてきます。ここでは、将来推計人口から計算した「医療需要予測指数」をご紹介します。この推計値によると、南あわじ市の2015年医療需要の実績を100と基準にした場合、2020年予測では98、2025年は97、2030年予測では94、2035年では88、2040年予測では83、2045年予測では76と現状に比べて約24%減少する予測が出ています。もし医療ニーズが減少すれば、医師募集ニーズも自然に減少していくと考えられます。現在、医師在籍数が全国平均よりも少ない南あわじ市ですが、25年後には今ほど医師募集ニーズは高くない可能性があります。次に「介護需要データ」をチェックしてみましょう。このデータによると、南あわじ市の介護需要予測指数は、2015年実績を100とした場合、2020年予測では101、2025年は110、2030年予測では112、2035年では109、2040年予測では103、2045年予測では96と、2030年までは増加傾向にありますが、その後は減少に転じ、2045年には現状をやや下回る予想が出されています。つまり、介護現場での医師募集ニーズにおいても、現状と同程度以下になると考えるのが自然でしょう。このように、今後の人口変動は医療・介護の需要に影響を与え、結果的に医師の募集・採用ニーズにも作用する要素の一つとなります。これらの情報を転職時にチェックしておくことで、中長期的なキャリアプランを色々な角度から考慮することができるようになります。