鹿児島県の大島郡喜界町(きかいちょう)は、奄美大島から東へ69キロメートル離れた喜界島の全域を占めています。主な産業はサトウキビやサツマイモなどの栽培で、耕地面積のうち4分の3程度がサトウキビ畑となっています。人口分布としては、50代の男女と80代以降の女性が多く、また20代は島外へ進学・就職するため少なくなっており、離島型の分布を示しています。人口は全体として減少傾向にあり、約7,300人の人口は、2025年には7,000人を割るものと予測されています。そのため急激な人口低下に歯止めをかけるべく、町では妊産婦支援に取り組んでいます。
小学校は喜界小学校・早町小学校の2校があり、中学校は喜界中学校の1校のみとなっています。また高等学校として鹿児島県立喜界高等学校があります。このうち中学校と高等学校は一貫教育を実施しており、6年間通じての総合的な学習の実践を図っています。島面積約57平方メートルの中に、集落はまんべんなく展開しており、ただ1校の中学・高校に通う生徒たちは、徒歩・自転車・バスと多様な交通手段を利用しています。基幹産業はサトウキビ栽培であるものの、徐々に都市型の商業・サービス業に移行する町民も増えており、生徒たちは多様な価値観に取り巻かれる中で将来を模索することになります。