井原市の医療施設数を見てみると病院が3施設、一般診療所が21施設となっており、人口10万人あたりの施設数で換算すると病院は全国平均値と同程度、診療所は全国平均値と同程度となっています。医師数は46名で人口10万人あたりの人員で換算すると111.14人と全国平均値245.93人より約130ポイント低いことがわかっています。これらの数値からも井原市の医師不足は明白です。この医師不足は、今後どのような一途をたどるのでしょうか。注目すべきは、15~64歳までの生産人口・65歳以上の高齢者人口の予測データです。この2つの人口は今後減少することが分かっています。そのため今後の医療需要は減少傾向にあります。具体的には、2015年の医療需要を1とした場合、2025年の医療需要予測は0.98倍、2040年には0.86倍になると予想されています。介護需要も医療需要と同様に、2015年の介護需要を1とした場合、2025年の介護需要予測は1.1倍に増加するものの、2040年には0.99倍と医療需要に遅れて減少してくることが予想されています。現在の井原市の高齢化率は34.40%とすでに3人に1人以上が65歳以上であり、全国をリードして高齢化が進んでいる地域と言えます。(全国の高齢化立は26.30%)そこで、井原市を代表する井原市立 井原市民病院では、医療連携・医療機能の分離・在宅復帰支援などを行っています。また平成21年には井原病院事業改革プランを制定し、その中で「救命救急・産科・小児科」など市民アンケートで要望の高い科目の医師招聘に最優先事項として明記し、それだけでなく、介護の面でリハビリテーション病棟の医師・医療スタッフ不足解消を挙げていました。このプランは平成21年度から平成25年度までの5年間を計画期間として実施され、その結果、井原市民病院の入院患者は延べ45,900人、1日平均126人、外来患者延81,291 人、1日平均333人と、1日平均外来患者数と年延外来患者数は目標数値を達成しています。