三重県南伊勢町には人口10,989人(2020年国勢調査)が住んでいます。
三重県南伊勢町の2015~2020年における人口増減率は-14.07%と減少傾向となっています。
南伊勢町を含む南勢伊賀医療圏に位置する地域と人口増減率を比べると、松阪市-2.88%、鳥羽市-9.89%、志摩市-8.51%、多気町-5.76%、伊勢市-3.95%、明和町-0.62%、大台町-9.30%、度会町-5.56%、大紀町-12.57%、玉城町は-2.53%となっており、南伊勢町の人口減少率は周辺地域と同じく減少エリアですが、減少率が最も高いことがわかりました。
ちなみに、全国の人口増減率は-0.75%であるため、南伊勢町の人口減少率は、全国平均値よりも約20倍近いの減少率になっていました。
次に、三重県南伊勢町の高齢化率を調べてみると53.40%で、南伊勢町に住む約半分以上の人が65才以上の高齢者でした。
この数値を全国の高齢化率28.00%と比べてみると、南伊勢町の高齢化率が全国平均レベルの約2倍であることがわかります。
では次に、三重県南伊勢町の医療施設数をチェックしてみましょう。
調べてみると、病院が1施設( 町立南伊勢病院:50病床)、一般診療所数は6施設あることがわかりました。
絶対数だけ見ると病院数/診療所数ともに少なく感じますが、人口対比で換算するとどのような状況なのでしょうか。
調べてみると、病院数は全国平均より多く、診療所数は全国平均より少ない地域であることがわかりました。
具体的なデータをチェックしてみましょう。
三重県南伊勢町の人口10万人あたりの病院数は、全国平均値6.46に比べ9.10と約2.5ポイント高いの数値となっていました。
また、一般診療所数を人口10万人あたりで換算した数字は、全国平均値69.98に対して54.60と約15ポイント少ない数値であることがわかりました。
これらのデータから、病院数は人口に対して多い一方で、診療所の数が人口に対して足りていない地域であることがわかりました。(参照元:2022年11月現在の地域内医療機関情報の集計値(人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算))
では、この地域で働く医療従事者数はどのような状況なのでしょうか。
医療従事者数をチェックしてみると、三重県南伊勢町に常勤している常勤医師在籍数は15名でした。
この常勤在籍医師数を人口10万人あたりで換算してみると、全国平均医師数253.66人と比べて136.50人と約117ポイント少ない数値となっていました。
この結果から、全国平均に比べて三重県南伊勢町の常勤医師が非常に不足している地域と言えます。
これらの医療資源に関するデータをまとめると、病院数は全国平均値よりも多い一方で、診療所数や常勤医師数が少ない地域であることがわかりました。
結果的に、他の地域に比べて医師の募集ニーズは高い地域と言えるでしょう。
そのため、転職の際に行う条件交渉は医療機関よりも医師の希望が優先される可能性が高いと言えます。
しかし、今後数十年後も医師のニーズ状況が現状を維持するとは限りません。
そこで、三重県南伊勢町の数十年後の医療ニーズの変化についてチェックし、医師の募集ニーズを推測してみましょう。
ここでは医師募集傾向の今後の変化を把握するために、三重県南伊勢町の2020年医療需要の実績を100とした場合の需要変動をご紹介します。
データを確認すると、2025年予測では87、2030年は76、2035年は64、2040年では55、2045年予測では45と、2020年に比べて55ポイント減少する予想になっていました。
これらの数値から三重県南伊勢町の医療ニーズは、現状を下回るでしょう。
結果的に、医師の募集ニーズも現状より急激に減少することが見込めます。
では次に、介護現場における医師募集ニーズの将来推移についてもチェックしてみましょう。
ここでは「介護需要データ」をもとに医師募集ニーズを予想しており、2020年実績を100とした場合のデータをご紹介します。
すると2025年予測では92、2030年は82、2035年は71、2040年では62、2045年予測では54と、2020年に比べて46ポイント減少する予想となっていました。
これらの数値から、三重県南伊勢町の介護ニーズは、現状より減少し、介護領域の医師の募集ニーズも減少する可能性が高いでしょう。