里庄町の医療施設数は、病院が1施設(医療法人萌生会 国定病院:70病床)、一般診療所が4施設あります。
人口10万人あたりの医療機関数で換算すると、病院は全国平均値の3ポイント高い9.15、診療所は全国平均値の約半分にあたる36.60でした。このように医療機関数だけでみると里庄町の医療資源は全国平均よりも少ないと言わざるを得ません。里庄町に在籍する医師数をチェックしてみると、7名(人口10万人あたりの平均医師数245.93人の4分の1にあたる64.05人)であることから、他の地域に比べて医師不足なため厳しい医療現場であることが予想できます。そのため、里庄町民が隣接する浅口市や笠岡市の医療機関を頼らざるを得ない状況です。唯一の病院である国定病院は、一般病棟39床、療養病床31床を持ち、地域住民の方の医療ニーズに応えるために健康管理センターや居宅介護支援事業所、デイサービス、ヘルパーステーションも併設しています。
医師不足が深刻なため、現状は里庄町の医師募集ニーズは高いといえます。実際に、国定病院では病院で外来業務を担当する一般内科医師の募集と、併設する介護老人保健施設の施設長を募集されています。現在医師不足で苦しむ里庄町ですが、10年後・20年後の医療・介護需要はどのように変化するのでしょうか。
社会保障・人口問題研究所調べでは、里庄町の15?64歳までの生産人口は2015年をピークに減少を始めることがわかっています。一方で、65歳以上の高齢者人口は2030年?2035年まで増加し続けることがわかっています。さらに詳しく医療・介護需要をチェックすると、2010年の医療需要を100と起算した場合、2020年には104、2025年には106、2035年には104、2040年には102と現状維持の状態が続く予測が出ています。つまり、医療募集求人数は現状を維持するため転職しやすい地域だと言えます。
また介護需要は、2020年に117、2025年に131、2030年には134と急激に増加する見込みで、その後2035年には131,2035年には126とやや減少してきます。そのため、介護現場で活躍する医師数は今以上に不足してくるため、在宅診療や介護老人保健施設の施設長などの医師募集数は益々増加していくことが期待できます。