和歌山県かつらぎ町には人口15,967人(2020年国勢調査)が住んでいます。
和歌山県かつらぎ町の2015~2020年における人口増減率は-6.03-4.41%となっています。
かつらぎ町を含む那賀医療圏にあたる和歌山県医療圏に位置する地域と人口増減率を比べると、橋本市は-4.41%、九度山町は-11.90%、高野町では-11.40%となっており、かつらぎ町の人口減少率は周辺地域に比べて減少傾向がやや穏やかであることがわかります。
一方で、全国の人口増減率である-0.75%と比べると、かつらぎ町は人口減少率が非常に高い地域だといえます。
次に和歌山県かつらぎ町の高齢化率を調べてみると、40.20%でした。
このデータからかつらぎ町に住む約3分の1以上の方が65才以上の高齢者であることがわかります。
では次に、和歌山県かつらぎ町の医療施設数をご紹介します。
調べてみると、病院が1施設(和歌山県立医科大学附属病院紀北分院:104病床)あることがわかりました。
また、一般診療所数は14施設あることがわかりました。
医療機関の絶対数だけをみると、医療機関数が非常に少ないように感じるかつらぎ町ですが、人口対比で換算した場合はどのようになっているのでしょうか。
そこで、かつらぎ町の人口対比で見た医療機関数の状況をご紹介します。
医療機関数を人口対比で調査したデータをチェックすると、和歌山県かつらぎ町の病院は全国平均値よりやや低いことがわかりました。
一方、診療所数は全国平均値よりかなり多いことがわかりました。
具体的な数値をご紹介しましょう。
まず和歌山県かつらぎ町の人口10万人あたりの病院数は、全国平均値6.46に比べ6.26と約0.2ポイント低い状況でした。
次に一般診療所数を人口10万人あたりで換算した数字をチェックすると、全国平均値69.98に対して87.68と約18ポイント高いことがわかりました。(参照元:2022年11月現在の地域内医療機関情報の集計値(人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算))
では、この地域で働く医療従事者数はどのような状況なのでしょうか。
医療従事者数をチェックしてみると、和歌山県かつらぎ町に常勤している常勤医師在籍数はわずか40名でした。
この常勤在籍医師数を人口10万人あたりで換算してみると、全国平均医師数253.67人と比べて250.52人と、全国平均値に比べ約3ポイント低い数値でした。
この結果から、和歌山県かつらぎ町の常勤医師数は全国平均に比べて充足していることが予想できます。
翻ると、かつらぎ町は、他の地域に比べて医師の募集ニーズはわずかながら高い可能性があると推測できます。
結果的に、転職の際に行う条件交渉は医療機関より医師に優位に進めらる可能性が高いでしょう。
しかし、今後数十年後も医師のニーズが現状を維持するとは限りません。
そこで、和歌山県かつらぎ町の数十年後の医療ニーズの変化についてチェックしてみましょう。
ここでは医師募集傾向の今後の変化を把握するために、和歌山県かつらぎ町の2020年医療需要の実績を100とした場合の需要変動をご紹介します。
データを確認すると、2025年予測では93、2030年は88、2035年は81、2040年では74、2045年予測では66と、2020年に比べて約34ポイント減少する予想がでています。
これらの数値から和歌山県かつらぎ町の医療ニーズは現状より激減することが予想されます。
結果的に、医師の募集ニーズも現状より急激に減少する可能性が高いと言えます。
このように、年々医療ニーズが減少傾向にある地域は全国では一般的ですが、かつらぎ町の減少率は他の地域に比べて非常に急であることがわかります。
そのため、今後長く働かれる医師の転職先としてはあまりおすすめしづらい地域と言えます。
では次に、介護現場における医師募集ニーズの将来推移についてもチェックしてみましょう。
ここでは「介護需要データ」をもとに医師募集ニーズを予想しており、2020年実績を100とした場合のデータをご紹介します。
すると2025年予測では100、2030年は98、2035年は91、2040年では85、2045年予測では76と、2020年に比べて約24ポイント減少する予想がでています。
これらの数値から和歌山県かつらぎ町の介護ニーズは現状より増えることから、介護領域の医師の募集ニーズは現状よりもかなり減少すると考えられます。