和歌山県那智勝浦町には人口14,137人(2020年国勢調査)が住んでいます。
和歌山県那智勝浦町の2015~2020年における人口増減率は-9.85%と減少傾向となっています。
那智勝浦町を含む新宮医療圏に位置する地域と人口増減率を比べると、串本町は-9.66%、太地町は-9.59%、古座川町は-12.24%、北山村は-9.42%、新宮市は-7.36%となっており、那智勝浦町の人口減少率は周辺地域と比較すると平均よりやや高いエリアと言えます。
ちなみに、全国の人口増減率は-0.75%であるため、那智勝浦町の人口減少率は10倍以上と急激に減少が進むエリアとなります。
次に、和歌山県那智勝浦町の高齢化率を調べてみると、43.90%で、那智勝浦町に住む約5人に2人以上が65才以上の高齢者となっていました。
この数値を全国の高齢化率28.00%と比べてみると、那智勝浦町の高齢化率はかなり高い数値であることがわかります。
では次に、和歌山県那智勝浦町の医療施設数をチェックしてみましょう。
調べてみると、病院が2施設(病院 那智勝浦町立温泉病院:120病床、医療法人日進会 日進会病院:82病床)、一般診療所数は10施設あることがわかりました。
絶対数だけ見ると医療機関数が少なく感じますが、人口対比で換算すると決してそんなことはなく、病院・一般診療所数ともに多い地域であることがわかります。
具体的には、和歌山県那智勝浦町の人口10万人あたりの病院数は、全国平均値6.46に比べ14.15と約2倍以上の数値でした。
また一般診療所数を人口10万人あたりで換算した数字は、全国平均値69.98に対して70.74と同程度の水準であることがわかりました。(参照元:2022年11月現在の地域内医療機関情報の集計値(人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算))
では、この地域で働く医療従事者数はどのような状況なのでしょうか。
医療従事者数をチェックしてみると、和歌山県那智勝浦町に常勤している常勤医師在籍数はわずか24名でした。
この常勤在籍医師数を人口10万人あたりで換算してみると、全国平均医師数253.67人と比べて169.77人と、全国平均値に比べ約83ポイント低くなっていました。
この結果から、和歌山県那智勝浦町の常勤医師数は全国平均に比べて医師が不足している地域と言えます。
これらの医療資源に関するデータをまとめると、那智勝浦町の医療資源は、病院・一般診療所というハード面で充実している一方で、常勤医指数というソフト面においては不足しているエリアであることわかります。
結果的に、他の地域に比べて医師の募集ニーズは高い地域と言えるでしょう。
そのため、転職の際に行う条件交渉は医療機関よりも医師の希望の方が優位に進めらる可能性が高いと言えます。
しかし、今後数十年後も医師のニーズ状況が現状のままとは限りません。
そこで、和歌山県那智勝浦町の数十年後の医療ニーズの変化についてチェックし、医師の募集ニーズを推測してみましょう。
ここでは医師募集傾向の今後の変化を把握するために、和歌山県那智勝浦町の2020年医療需要の実績を100とした場合の需要変動をご紹介します。
データを確認すると、2025年予測では95、2030年は88、2035年は79、2040年では71、2045年予測では64と、2020年に比べて約36ポイント減少する予想になっていました。
これらの数値から和歌山県那智勝浦町の医療ニーズは現状に比べて減少する可能性が高いでしょう。
結果的に、医師の募集ニーズも現状維持は難しく、さらに医師過剰もしくは、今より少ない常勤医指数で対応できる可能性が出てきます。
では次に、介護現場における医師募集ニーズの将来推移についてもチェックしてみましょう。
ここでは「介護需要データ」をもとに医師募集ニーズを予想しており、2020年実績を100とした場合のデータをご紹介します。
すると2025年予測では103、2030年は99、2035年は89、2040年では81、2045年予測では74と、2020年に比べて26ポイント減少する予想となっていました。
これらの数値から、和歌山県那智勝浦町の介護ニーズも、現状より減少し、介護領域の医師の募集ニーズも減ることが考えられるため、転職先としてはあまりお勧めできません。